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カレーうどんのトッピング考(再録)

 カレーうどんを作ろうとする場合,ゆでたうどん玉にレトルトカレーだけをを上からかけてもだめである。カレースパゲティが成立しないというところでも書いたように,太めの麺に対する関係においてカレーは味付けとしてのインパクトが弱いのである。実際にやってみればわかる。だからカレーうどんを成功させるためには,カレーを少々きつめの味付けに調整する必要がでてくる。立ち食いソバ屋のカレーうどんでは,おつゆの存在を当然の前提としてその上にカレーがかかっているから問題は解消されていると言える。
 数年前,四国へ行ったときのことである。丸亀の駅の近所のうどん屋へ入ったところ,「カツカレーうどん」というものがメニューに載っていた。さてこれはどのようなものであろうか。
 どうであったかというと,見た目は普通のカレーうどんであって,驚いたことにカツがどこにも乗っていない。で,うどんを箸でかきまわしてみたところ,実に,おつゆの中に水没しているのであった。で,箸でつまみ出したらどうであったかというと,予感は的中し,ぐずぐずのどろどろであった。つまり,工場かどこかで業務用にこしらえたカツがおつゆの中に浸かっていたわけであって,カツ自体には防水加工が施されているわけでもなんでもなく,ただのまずいカツ。であるから,コロモは水分を吸ってぐずぐずになっているし,しだいしだいに肉から離れてどろどろになりやがって,なんじゃこりゃ,という状態になるのであった。
 立ち食いソバ屋へ行くと,トッピングにコロッケというものがある。これまでに三度コロッケうどんを食べたことがあるのだが,やはりコロッケに特別の工夫がなされているわけではなく,ただのコロッケ。だんだんとぼろぼろに崩れてくる。コロッケにソースをかけて食べるわけではないから味付けはどうしたっておつゆでするしかない。しいかしうどんつゆに浸したコロッケなんて変に水っぽいだけである。コロッケを味噌汁に入れるなんて想像もつかないのと同じく,うどんつゆの中に入れるというのもどうかしている。
 こういうものに比べると,天ぷらうどんに乗っかっているかき揚げはいい。コロモはおつゆを吸ってとろとろになってしまうものの,口当たりの滑らかさとおつゆの味が融合して,それはそれで実においしい。しかしコロッケの崩れたやつはだめだ。おつゆにジャガイモのぼろぼろが混ざり,不愉快にザラつくばかりなのである。
 というわけで,カツカレーうどんやコロッケカレーうどんを作ろうと思うなら,間違ってもおつゆに浸かるような盛りつけかたをしてはならない。しかしそれとても時間の問題であるから,作らないのが最もよい。
 *後日,香川県出身の大学生にカツカレーうどんの話をしたところ,現地ではあれで当たり前ということだった。食文化は極力尊重するとしても,やっぱりなんだか嫌だ。

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