• 弁護士のブログ

セクハラヤジの都議会議員を弁護する、か?

 鈴木あきひろとかいう元自民党の都議会議員がセクハラヤジをトばしたということで話題になっている。なにしろご当人「私じゃないですよ。わからないと思いますよ。ヤジなんていちいち聞いてる人いないですから」とインタビューに答えたその数時間後にヤジったのは自分であることを認めたわけで、大ウソついてたとなりゃマスコミの話題にもなるでしょう。なにしろ都議会議員という公職どころか選良というポジションにある人物が卑怯者と後ろ指さされても弁明しようがない態度をとっていたわけで。
 大勢の声に隠れてセクハラヤジはトばせても、一人堂々と弁明するにはビビっちゃう程度の小人物。機会が無かっただ? いくらでもあったろうに。

 それにしてもおもしろかったのは、こいつのための弁護言論。いくつかタイプがあるようで、
1 音声の聴きかたの誤りであり、セクハラヤジは存在しないという発言自体の否認論。しかし音声を良く聴くとやっぱり「おまえが」としか聞こえないということで決着が付いてしまった。そもそも議員ご本人が認めてしまったし、もともと後先のことを考えないコジツケ筋の弁護論だったようだ。逆にヤジの内容自体に注目を集めたという点ではヤブヘビ弁護だった。
 大傑作だったのは、ご本人がヤジを認めているにもかかわらず「そんなふうには聞こえない!」という優秀すぎる人材まで出現したこと。こりゃないわ。ゆがんだ鏡にはゆがんだ像しか映らない。議員ご本人がかわいそうだ。  
2 セクハラヤジ自体から話題をそらして議論を煙に巻く詭弁論。しかしこれは論理性に欠けることが明白で、弁護論者からもあまり相手にされずに終わったようだ。例えば、ヤジの中身にまるで触れることをせず、ヤジの対象になった塩村はこういう人物であるということの強調にひたすら終始する。これって鈴木都議にとって何の弁護にもならないことがまるわかりである反面、こんな弁護にもならないことを陳弁たてまつることで己の頭の悪さもまるわかりになってしまうことから、与する弁護論者はさすがにいなかったみたいだ。
 これのエピゴーネンはいくつか登場したようだ。やっぱり弁護にならないという致命的な欠陥があって先細りに終わってしまったのが惜しまれる。
3 どこかの陰謀論。何かから目をそらさせようとしてマスコミかどこかが陰謀をめぐらせて仕組んだ事件で、ヤジ自体が偽造であるというもの。セクハラどころか大ウソまでつく小心者をいまさら陥れたってしょうがなかろうに。フリーメーソンやユダヤ組織がどうのこうのというトンデモ論に汚染されてるのかな。音声データの存在やご本人の自白があっては何の弁護論にもならない。エンターテインメント性だけが取り柄だった。
4 たいした内容のヤジでもないのだから問題にするほうがおかしいという、ある意味正統派。しかし21世紀現在の人権感覚に欠けることは否めず、加えて海外マスコミからも指弾されるにおよんでめっきり勢いがなくなってしまった。結局、「そのくらいいいじゃないか」といった程度の理解じゃ通用しないということだ。どこかの会社でこんな発言したら今日び当たり前にセクハラ認定されるわけで、要するに時代遅れのおっさんレベルなのだな。海外からの目線に弱いのも困った特徴か。

 この間、企業不祥事にしても政治家の不祥事にしても、つべこべ言い訳して責任逃れを続けることで逆に傷口を拡大してしまっていた。この都議なんてついには海外マスコミからも注目をあびる大江戸出物語の主人公に成り上がってしまった。わたなべなんとかという国会議員のあのみっともない姿、あれが国権の最高機関の構成員だというのだからたまげる。あんなになる前に身を処していたらはるかに良かったろうに。もちろん国民としても早めに引退してもらうのが喜ばしい。
 ところで、このヤジと同時期に「産めないのか」というヤジも聞こえたらしい。都議会自民党は徹底的に調査するのとは正反対の姿勢のようだ。この都議の大ウソをみれば他にもほっかむりしている恥知らず議員がいることは容易に想像できる。こいつや自民党のおかげで世界中の笑いものになるというのは実に名誉なことだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です