• 弁護士のブログ

人材拒絶の法科大学院

 日経の記事『法科大学院の定員、来春はピークから45%減に』によると、来春の法科大学院の入学定員総数は3175人で、ピーク時の5825人から約45%減となるのだそうだ。74校あった法科大学院は募集停止があいつぎ、来年度に学生募集するのは54校、とも。
 文科省が5月に公表した今春の入学状況では、募集した67校の定員計3809人に対し、入学したのは2272人、入学者が定員を下回ったのは91%に当たる61校で、うち44校は半数に満たなかったんだそうだ。
 弁護士を目指す人材自体がここ数年で急激に減少したのかな。それもあるかもしれない。急増のおかげで弁護士をとりまく経済事情は悪化の一途をたどっており、業界の吸引力も弁護士の魅力も急落したことは考えられるな。「まともに食えないばかりでなく修習期間中の貸与性のために積み上がった借金で首がまわらない」的な報道がじゃんじゃかなされていちゃ、そりゃ敬遠したくもなるよね。敬遠したのは優秀な人材かそれとも優秀でない人材かと問われれば、「両方」と答えるしかないと思う。結果として弁護士という職業を目指す優秀な人材が減ってしまったはずだよね。
 法科大学院それ自体としては何が言えるのかな。<法科大学院へ入学したい>と考えている学生や社会人等の絶対数が減少していることだけは数字上一見あきらかだよね。じゃあ、法科大学院への入学を敬遠したのは優秀な人材かそれとも優秀でない人材かと問えば、やはり「両方」と答えるしかないと思う。裁判官・検察官・弁護士を目指す優秀な人材を法科大学院はみすみす取りこぼしているんじゃないだろうか。自らの経営手腕のなさが自らの経営危機を招いているというだけのことなら勝手だけど、将来の法曹を担う核心たる人材を年を追うごとにますます取り逃がすような機関って、いったい何なのじゃろうか。制度そのものが、「ようこそ法曹の入り口へ」じゃなくて「来ないほうが身のためだよ」と言っているのが現状のような気がする。予備試験は逆に大盛況というんだから、制度として失敗だったことは認めざるを得ないんじゃなかろうか。
 予備試験がどうあれ、合格者激増と法科大学院制度って、今後もずっと維持すべきなのかな。優秀な人材を取りこぼすどころか、両者あいまって積極的に排除するという機能を発揮しているように見えちゃうんじゃねえ。とりわけ法科大学院は、そこに将来の法曹養成という機能が残されているにしても、人材排除的な極めて有害な機能を併せ持っちゃっちゃ、解体ないし解体に類する抜本的な改組をおこなうことが日本国の将来にとって憂いの無い方法じゃないんだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です